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2007 02,10 23:59 |
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2月に入って一度も更新していないことに気付き、とにかく何か書かなければと焦ってみた。というわけで、私の大好きな『バベットの晩餐会』のことについて書いてみようかと。
goo映画紹介ページ 高校生ぐらいの頃、TVで放送されてたのを鑑賞した。映画雑誌などでよくタイトルだけは耳にしていた。当時映画ファンなりたてホヤホヤだった私。デンマーク映画なんてことも知らずに、よく聞くタイトルだからという理由で、ちょっぴり背伸びをしてビデオ録画した。 一生忘れられない作品になった。ラストの、清々しいバペットの笑顔が心に強く響いた。彼女はかつて、パリで名声を得た料理人だった。その彼女が最後に望んだことは、再びパリに帰る道ではなく、自分の“作品”をもう一度誰かに披露することだった。そして心から慕う人々に最後の作品を振る舞い、「あななたたちで本当に良かった」と微笑んでみせる。彼女の心意気が村人たちの心を解いていく様は、派手さはカケラほどもないにも関わらず、まだ映画馴れしてない私の心にも感動的に映った。バベットの潔さは、とても「カッコよかった」。再び名声を求めるのではなく、ただもう一度自分の魂を注ぎ込んで料理を表現することを選択する。本物の職人であり、本物の芸術家だな、と当時の私なりに思った。 機会があれば、DVDを購入したい作品のひとつ。名作は、年代に関わらず心に響くものを持っているんだな、と今更ながらに思う。色んな方にオススメしたい至宝の一本。 PR |
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2006 07,02 00:19 |
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『ダ・ヴィンチ・コード』を観て、同じロン・ハワードの監督作『ウィロー』について話して見たくなった。
goo映画紹介ページ 『ウィロー』はジョージ・ルーカスが原案・製作総指揮を務めた作品だが、それまでのルーカス作品と比べて、SFX技術以外真新しいものなんて何一つないという意味で、あまり評判のいい映画ではない。ストーリーなどはっきり言って『スター・ウォーズ』の使いまわしだ。遥か昔の話で、フォースの代わりに魔法があって、デス・スター設計図の代わりにエローラ姫が流されて、未熟な若者がおかしな二人組みに翻弄されて、ならず者とプリンセスのロマンスがあって、親子の確執があって、主人公が農民で。ここまで一緒なら、ストーリーが手抜きだと言われても言い返すことなど出来ないだろう。 しかし、私はこの映画が大好きなのだ。 中学生で始めてみた時は、流石に「なんだこりゃ??」と思った。しかし大人になって見直して、新たに発見するものも多い作品だった。その中で一番大きな発見だったのが、監督のロン・ハワード。この『ウィロー』という映画は、ハワード監督の人を見つめる眼差しの温かさを、じかに感じられる映画なのだ。 主人公ウィローは見習い魔法使い。能力はあるけど自分に自信がなくて、いつも村の笑い者。そんな彼に託された、エローラ姫を守り、悪の女王と戦う旅。その旅すがらに出会うのは流れ者のマッドマーディガン、女王の娘ソーシャ姫、老いた魔法使いシャンドリラ。みんな始めはウィローを馬鹿にするんだけど、気がつくと、皆、心を一つにして彼と共に戦おうとしている。物語が進に連れ深まる彼らの絆。その描写がものすごく自然で、観ているだけで心が豊になりそうなほど、温かい。 例えばマッドマーディガン。彼は始め、自分の利益の為だけにエローラ姫の世話を申し出た。ウィローたちと旅をする事になってもしぶしぶだった。でも、彼は次第にエローラとウィローを大切に思うようになっていく。彼の心が変わっていく様は、観ているこちらの「温かい心」「優しい心」に訴えかける。彼は本当は仲間を愛せる男なんだと。そして物語りのクライマックス、女王の手下にエローラを奪われ、絶望に嘆くウィローに向かって彼は言う。「ウィロー、追えるな。大丈夫だな。一緒にエローラを追おう。」 改めて観て、あのシーンは本当に涙が止まらなかった。マッドマーディガンの、そしてメガホンを取って彼をフィルムに収めるハワード監督の優しさが、ダイレクトに心に響き渡る。ああ、この映画は、ロン・ハワードという人の優しさや温かさを感じる為にある映画だったんだ・・・観終わった後には、とても清々しくて豊かで、ふくよかな気分になっていた。 ストーリーが単純だからこそ、伝わるものもある。私は『ウィロー』からそれを教わった気がする。あの映画の存在意義は、ハワード監督そのものにあるのだ。 |
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