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2007 08,02 00:05 |
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実は先日まで一週間ほど入院してた。病室にPCを持ち込み、外出許可をもらって近所の電気屋に。暇つぶしになればと思って安いソフトを購入。それがこの作品。
ワーナー・ホーム・ビデオのページ アクロバティックなダンスシーンが売り物のミュージカル映画。ミュージカルで少しでも楽しい気持ちになろうと思ってこの作品にしたのだが、正直あまり楽しくはならなかった。件のアクロバティック・ダンスは、『ザッツ・エンタテイメント』に収録されていたのを観たことがあった。確かにお祭りのシーンは楽しくて胸踊ったが、総合的には好きになれない作品である。 この作品の何が一番気に入らないかといえば、女性の描写である。女性の描き方が薄っぺらいのはこの年代の作品全てに共通することだが、それにしてもこれは酷すぎる。観ている途中で気分が悪くなってしまった。50年代の作品もそこそこ観ているつもりだが、こんなことは初めてだ。7人兄弟が好きな娘たちを掻っ攫ってくる。初めは怒り悲しむ娘たちだが次第に兄弟たちに心引かれて結ばれる・・・ミュージカル映画にとってストーリーは付属品みたいなものなので、話が荒唐無稽なのはかまわないのだが、 これは荒唐無稽というよりは非人道的だ。しかし一番腹が立つのは娘たちが恋に落ちる描写。あまりにも馬鹿っぽくて、とても観るに耐えられなかった。女とか恋というものを、あまりにも平面化しすぎだ。 しつこくフォローさせていただくと、お祭りでのアクロバティックなダンスシーンだけはとにかく素晴らしかった。兄弟たちが娘たちをめぐって町の男たちと喧嘩をする、という描写なのだが、実にテンポがよく、喧嘩だと判るのに観ていて気持ちよくなる。ダンスと曲芸を混ぜたような振り付けは、ちょっと他のミュージカル映画では観たことがない。全ての喧嘩や戦争が、ダンスで片付けばいいのに、などと思ったり。 それにしても同じ50年代のミュージカルなのにこの差は何だろう。「美しい娘は芸術品~」だなんて無礼千万な歌を披露していた『雨に唄えば』は、ものすごく大好きな映画の一本なのに。思い返すと『雨に~』のドンとキャシーが恋に落ちる過程は、かなり説得力のある描写がされていたな。その辺りの差なのだろうか。 『ザッツ・エンターテイメント』を観て、「映画のダイジェスト映画なんて、どうして作ったんだろう?」と不思議に思ったが、この作品を観て、その理由が判った気がする。この作品のように、「ダンスシーンは最高だが残りはカス」みたいなミュージカル映画が、当時ゴマンとあったからだ。要するに、最高な部分だけをより合わせて提供してしまおうと。どこかの批評家が、「本当に観られる50年代のミュージカルは『雨に唄えば』『巴里のアメリカ人』『王様と私』『ショウ・ボード』ぐらいだ。」と言っていたのを思い出した。多分それは本当なのだろう。 PR |
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2007 02,11 15:22 |
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学生の頃、法学の講義で観た作品。アメリカの陪審員制度を描いた、名作法廷ドラマ。
goo映画紹介ページ 実父殺しの罪に問われている少年の評決を下さねばならない12人の陪審員。少年は有罪で決まりという空気が流れる中、一人、無罪を主張する陪審員が。彼は言う「少年が無罪だという証拠はないが、人ひとりの命がかかっているんだ。早急に結論を出したくない。話し合おう」と。ここから、陪審室からほとんど一歩も外に出ない、12人の男たちの戦いが始まる。 11対1人で始まった陪審員たちの対決。一人、やがて一人と無罪に傾き始め、次第に論議は深まり、煮詰まっていく。12人の男がテーブルを挟んで話し合ってるのがメインの作品だが、観れば観るほどひきこまれ、全く飽きを感じなかった。この作品は、陪審員制度の問題点なども含んだ社会的な側面もあるが、同時に良く出来たエンターテイメント作品でもあると思う。隔離された密室で、12人の人物が意地と正義感を炸裂させ、ぶつかり合う。見応えたっぷりの人間ドラマに仕上がっている。 日本でも裁判員制度が導入される。その参考までに、この作品をご覧になるかたもこの先出てくるのではないだろうか。勿論、裁判なんてまるで興味のない方にも、充分オススメできる名作だ。 |
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2006 05,18 00:58 |
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大学で「アメリカ大衆文学史」を選択していた時分授業で観て、以来虜になってしまったこの映画は、私を本格的にミュージカル映画にはめた作品でもある。
Yahoo!Movie紹介ページ ミュージカルの金字塔と言われるこの作品の見所は、何と言ってもラストの20分近くに渡るダンスシーン。私の大好きなガーシュウィンの同名曲に乗って、ルノワールやロートレックの絵画をモチーフにしたセットの中を、ジーン・ケリーが踊りまくる。圧巻の一言だった。ストーリーそのものは他愛もないものなのだが、全てがラストのダンスシーンの為の“フリ”なのだからと、納得がいってしまうのだ。 ミュージカルシーンのクオリティーの高さや、ラストの突飛ながら幻想的なダンスシーンなど、この映画について語りたいことは山のようにある。その中で一番力をいれて語りたいのは、「この映画は、製作者の魂を感じる」ということだ。とにかく画面から、「俺たちは、こういうものが作りたかったんだ!」というのがひしと伝わってくる。ミュージカルにしろそうでないにしろ、そんな作り手側の魂を感じる作品に出会える喜びは、映画ファンなら共通のものではないだろうか。 この作品を観て以来、ミュージカルを選んで見ることも多くなった。ジーン・ケリーは今では尊敬する役者の一人。映画『レオン』でジャン・レノが映画館で彼の主演作『いつも上天気』を観ているシーンには妬ましさすら感じた。『いつも上天気』は日本ではDVD化されておらず、ビデオも廃盤になってる可能性があるからだ。観たい。ものすごく観たい。どうにかして観る術はないだろうか。 |
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