2024 05,19 14:49 |
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2006 05,26 00:19 |
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シネスイッチ銀座は、お気に入り劇場の中でも1,2を争うほど好きな劇場だ。
公式サイト 今時整理番号も座席指定もやってない、ある意味硬派な劇場。少ない席数で話題作を普通に上映して、路上にまで観客を並ばせることの出来る、おそらく銀座で唯一の劇場だ。私自身、『ピアニスト』を観るのに40分、『リトルダンサー』を観るのに1時間並ばされた記憶がある。楽しみにしていた映画の公開がシネスイッチに決まる度に、鑑賞の為の作戦を立てざるを得ない、映画ファンには悩まされる劇場のひとつ。しかし、やっぱりあの奥ゆかしいたたずまいと、劇場の雰囲気は魅力的。そして何より、上映作品に偏りを感じないのがいい。例えば、ル・シネマも恵比寿ガーデンシネマもそれぞれに素敵な劇場だが、どうしても上映する作品に偏りを感じてしまう。シネスイッチは、同じレイトショー・シアターでも、上映作に「劇場色」をあまり感じさせない。その万遍のなさが、私の中でこの劇場をお気に入りの上位にしている一番の理由だ。 ところが、ある日突然、ショックな出来事があった。「オールドムービー」がいつの間にか閉店していた。 「オールドムービー」は、私が銀座でネグラにしていたスコッチ・パブだ。シネスイッチの隣にあって、映画を観た後カクテルを飲むのに使っていたし、銀座で何となく行く店に困れば、「考えるのが面倒だから」というノリで、よくお酒を飲みに行っていた。いつのまにか常連で、店のウエイターの名刺が数枚、未だに財布に入っている。 その名の通り、クラシック名画に出てきそうな趣の店だった。店内には古き良き名作のポスターが何枚も貼られ、18mm映写機でミニフィルムの上映もしていた。お気に入りは、ハリウッド名優の名を冠したオリジナルカクテル。連れが“イングリット・バーグマン”を注文すれば、私は“ハンフリー・ボガード”を取り、“クラーク・ゲーブル”を注文すれば、私は“ビビアン・リー”で乾杯。“ショーン・コネリー”“オードリー・ヘップバーン”“エリザベス・テイラー”・・・どれもこれも、忘れられないカクテルばかり。それなのに、ある日足を運んだら、「閉店しました」の一言が、シャッターの上から貼られていた! シネスイッチは今でもお気に入り上位の劇場だが、その理由に、オールドムービーの存在が多少関わっていたことは確かだ。悲しい。ものすごく悲しい。銀座のネグラを失ってしまったことも痛手だが、もう「シネスイッチの後、ヘップバーンで乾杯!」ということが出来なくなってしまったことが、たまらなく悲しい。メニューにない“シャーリー・テンプル”を作ってくれたバーテンダーさんとも、気さくに話しかけてくれたウエイターさんとも、もう会えない。これから銀座で酒場に困ったら、一体私はどうすればいいのだろう? シネスイッチとオールドムービーは、私にとっては“ふたつでひとつ”な存在だった。どなたか、オールドムービーの消息をご存知の方はいらっしゃらないだろうか?もう一度、甘酸っぱいヘップバーンを味わいたい。 PR |
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