2024 05,19 12:02 |
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2007 08,02 00:05 |
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実は先日まで一週間ほど入院してた。病室にPCを持ち込み、外出許可をもらって近所の電気屋に。暇つぶしになればと思って安いソフトを購入。それがこの作品。
ワーナー・ホーム・ビデオのページ アクロバティックなダンスシーンが売り物のミュージカル映画。ミュージカルで少しでも楽しい気持ちになろうと思ってこの作品にしたのだが、正直あまり楽しくはならなかった。件のアクロバティック・ダンスは、『ザッツ・エンタテイメント』に収録されていたのを観たことがあった。確かにお祭りのシーンは楽しくて胸踊ったが、総合的には好きになれない作品である。 この作品の何が一番気に入らないかといえば、女性の描写である。女性の描き方が薄っぺらいのはこの年代の作品全てに共通することだが、それにしてもこれは酷すぎる。観ている途中で気分が悪くなってしまった。50年代の作品もそこそこ観ているつもりだが、こんなことは初めてだ。7人兄弟が好きな娘たちを掻っ攫ってくる。初めは怒り悲しむ娘たちだが次第に兄弟たちに心引かれて結ばれる・・・ミュージカル映画にとってストーリーは付属品みたいなものなので、話が荒唐無稽なのはかまわないのだが、 これは荒唐無稽というよりは非人道的だ。しかし一番腹が立つのは娘たちが恋に落ちる描写。あまりにも馬鹿っぽくて、とても観るに耐えられなかった。女とか恋というものを、あまりにも平面化しすぎだ。 しつこくフォローさせていただくと、お祭りでのアクロバティックなダンスシーンだけはとにかく素晴らしかった。兄弟たちが娘たちをめぐって町の男たちと喧嘩をする、という描写なのだが、実にテンポがよく、喧嘩だと判るのに観ていて気持ちよくなる。ダンスと曲芸を混ぜたような振り付けは、ちょっと他のミュージカル映画では観たことがない。全ての喧嘩や戦争が、ダンスで片付けばいいのに、などと思ったり。 それにしても同じ50年代のミュージカルなのにこの差は何だろう。「美しい娘は芸術品~」だなんて無礼千万な歌を披露していた『雨に唄えば』は、ものすごく大好きな映画の一本なのに。思い返すと『雨に~』のドンとキャシーが恋に落ちる過程は、かなり説得力のある描写がされていたな。その辺りの差なのだろうか。 『ザッツ・エンターテイメント』を観て、「映画のダイジェスト映画なんて、どうして作ったんだろう?」と不思議に思ったが、この作品を観て、その理由が判った気がする。この作品のように、「ダンスシーンは最高だが残りはカス」みたいなミュージカル映画が、当時ゴマンとあったからだ。要するに、最高な部分だけをより合わせて提供してしまおうと。どこかの批評家が、「本当に観られる50年代のミュージカルは『雨に唄えば』『巴里のアメリカ人』『王様と私』『ショウ・ボード』ぐらいだ。」と言っていたのを思い出した。多分それは本当なのだろう。 PR |
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