2024 05,19 12:23 |
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2007 11,29 00:20 |
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久しぶりにロシア映画を観た。
公式サイト 製作国=ロシア 姉の評価=★★★★ ものすごぉぉぉく甘口の評価にして★四つ、と言った感じ。面白かったし感動もしたが、個人的にどうにも納得のいかない部分も多かった。これは実話を基にした作品ということだが、それにしてもこの邦題は感傷的過ぎる気がする。これは『この道は母へとつづく』なんて気負いした映画ではなく、人情溢れるエンターテイメント作品である。 以下、一部ネタバレを含むので、お嫌じゃない方だけ反転してどうぞ。 主人公ワーニャは孤児院に住む少年。養子縁組が決まったが、どうしても母親に会いたくて脱走する・・・という話。本編は、一体どこまでが実話でどこからが脚色なのだろうか。個人的に納得いかないのは、ラストシーン。(ネタバレ)ちょっとご都合主義が過ぎるのではないかと思う。手続き上既に養子となっているワーニャが、そう簡単に別の子と交代できるものなのだろうか。日本のお役所ですら融通利かないのに、ましてやロシアじゃ・・・。また、ワーニャが母親と再会した後、母親と幸せそうに暮らしているような描写があったことも納得いかない。子供を捨てた・親に捨てられたという経緯がある二人。親にも子供を捨てるだけの理由があったはずだし、ワーニャには、一度捨てられたというわだかまりがあるはず。親子の信頼を失っていた6年間が、そう簡単に取り戻せるとは思えない。あのラストは、どこまでが実話なのだろうか。それを知らないことには素直に感動することが出来ない、というのが本音である。 しかし、ワーニャが母親を捜し求める過程にだけは心打たれた。世の中、酷い人間ばかりだが、それと同じぐらい、善意を持っている人間だっている。その善意の連鎖がワーニャを母親へと導いてくれる。ラスト、その善意の連鎖が無駄にならなくて本当に良かったな、とは思った。私がこの作品を“人情溢れるエンターテイメント”だと感じた理由はそこにある。ご都合主義感は拭えないが、「そうなって欲しい」ラストまでの道のりに、スリルとあたたかい気持ちを沢山盛り込んでくれていた。(ネタバレここまで) 原題は『ITALIANETZ』(イタリア人)。このタイトルには、孤児たちを取り巻くロシアの過酷な状況が盛り込まれている気がする。貧しい国の孤児を、外国人がドルで「引き取る」という話は聞いたことがある。そういう子供たちの一部が、臓器移植に使われることもある、ということも。そういう意味も込めて、『この道は~』なんて感動を前面に売りにしたタイトルにはして欲しくなかった。流石に「ザ・イタリアン」なんてのじゃ訳が判らないが、もっといいタイトルはなかったのだろうか・・・。 PR |
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