2024 05,19 10:27 |
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2007 10,22 01:07 |
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久しぶりに時間が出来たのに映画を鑑賞した。ジュゼッペ・トルナトーレ監督作という以外何も知らず、上映時間が都合にあってるという、それだけの理由で選んだのがこの作品。
公式サイト 製作国=イタリア 姉の評価=★★★★ ゆるい・・・このタイトルはゆるすぎる・・・。 『ニュー・シネマ・パラダイス』や『海の上のピアニスト』のような作品を期待して観に行くと、間違いなくショックを受けるだろう。既存のトルナトーレ作品とまるきり違う作り方。衝撃的な映像だらけの、サスペンスタッチの人間ドラマだ。『題名のない子守唄』?馬鹿言え。これは『未知の女』(英語題直訳)って、ある意味ホラーよりも恐ろしい映画なのだ。 トルナトーレと言えば、『マレーナ』で人間の卑しい感情をこれでもかと描いていたのを思い出すが、この作品は、『マレーナ』以上にむき出しの女の感情を描いている。「母性を秘めた全ての女性に捧げる」なんて宣伝文句がつけられているが、はっきり言おう。妊娠中の方、授乳中の方には、この映画はオススメできません。むしろ観ないで下さい。 以下の記述には、作品のネタバレと、管理人・姉の生々しい告白が含まれます。読まれて気分を害されても責任は負いかねますので、興味のある方は、何卒承知の上で反転なさってください。 (ネタバレ&告白ここから)凄まじく、そして生々しい、傷つけられ奪われた母性愛を取り戻そうとする、主人公イレーナの物語。終盤まで、彼女の目的がわからず、執拗なまでにアダケル家につきまとう彼女の行動が、ただただ不気味で仕方がなかった。が、少女テアが、実はイレーナの娘なんだと明かされた瞬間、その不気味さは一転、愚かだけど限りなく深くてあたたかい、愛の溢れる行動に見えてしまう。まるで魔法のような瞬間だった。トルナトーレの、女性を、人間を観察する目の鋭さと温かさを、しみるように感じる作品だった。完成度の高い、素晴らしい映画だと思う。 しかし同時に、あまりにも生々しい描写が多く、とても辛い映画だったのも本当である。特に出産シーンと、産んだばかりの赤ん坊を奪われて、パンパンに張った胸から母乳をポタポタしたたらせながら号泣するシーン・・・今思い出しても辛くなる。鑑賞した日、辛すぎて私は娘の顔をまともに見ることが出来なかった。一年も前に授乳は終わってるのに、子宮が痛み、産道が痛み、胸まで張った。産前産後の身体的・精神的苦しみは、同じ女であっても、それを経験した者にしか理解できない。しかしトルナトーレは、スクリーンに見事にそれを表現している。私はそれを、自分の身体で実感した。 妊娠中の方、授乳中の方にこの作品をオススメできない理由は、ずばりそこにある。産前産後の心身の負荷を負ってる最中の方には、あまりにも刺激が強すぎる映像が多い。 ただ辛かった分、ラストのテアの笑顔には本当に癒された。親子の絆って、産んだかどうか以上に、どう関わってきたかが重要なのだろう。テアは結局イレーナの娘ではなかったが、イレーナがテアに向けていた愛情は本物。この作品には多くのことが語られているが、その中でも、このことは私の心に一番響いた。(ネタバレ&告白ここまで) オススメできない客層がいる点を考え、★ひとつ減とした。鑑賞予定のある方は、冒頭からショッキングな映像が続くので、その辺ご注意を。 PR |
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